ものづくり補助金 第23次を勝ち取る経営計画の作り方

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「設備投資に踏み切りたいが、資金面の不安で決断できない」—そんな中小製造業の経営者にとって、ものづくり補助金は心強い味方です。2026年4月3日に第23次公募が始まり、締切は5月8日(金)。補助上限は4,000万円、補助率は中小企業で1/2、小規模事業者は2/3です。ただし今回から賃上げ要件が厳格化し、「従業員1人あたり年率3.5%以上の賃上げ」が必須となりました。採択を勝ち取るには、設備投資と賃上げを貫く一本の経営ストーリーが欠かせません。本記事では、診断士の視点から第23次で採択される経営計画の作り方を解説します。

第23次公募の何が変わったか—賃上げ要件と加点廃止

第23次の最大の変更点は、賃上げが「加点項目」から「必須要件」へ格上げされたことです。従来は加点で優遇されていた賃上げが、今回からは計画に盛り込まないと申請自体ができません。具体的には事業期間終了後3〜5年で、従業員1人あたり給与支給総額を年率平均3.5%以上引き上げる必要があります。さらに判定単位が「総額」ではなく「1人あたり」へ変わった点も重要です。人員増で総額だけ膨らませる手は通用しません。経営者は「設備導入で生産性を上げ、その原資で賃上げする」というロジックを数字で示す必要があります。これは単なる申請テクニックではなく、人手不足時代の経営戦略そのものです。

採択される事業計画書の骨格—課題・解決策・効果の一貫性

採択される事業計画書には共通の型があります。第1に「自社の現状と課題」を定量で描写すること。稼働率、不良率、段取り替え時間など、現場の数字を押さえます。第2に「導入設備がどう課題を解決するか」を具体的に書くこと。機械を入れるだけでなく、その機械が生む工程変化まで踏み込みます。第3に「効果の金額換算」です。生産性向上による粗利増、人件費削減、新規受注の獲得などを3〜5年の試算で示し、賃上げ原資との整合を取ります。審査員は多数の計画書を読みます。抽象的な「生産性向上を図る」ではなく、「加工時間を現行180秒から60秒に短縮し年間2,400万円の粗利改善」といった粒度で書くことが採択率を左右します。

補助金ありきの落とし穴—投資判断の軸は「自社の戦略」

補助金は魅力的ですが、「採択されたから導入する」という発想は危険です。補助率1/2でも、残り1/2は自社負担。4,000万円の設備なら2,000万円の自己資金が必要です。さらに申請から交付決定、設備納入、実績報告まで1年以上かかり、その間のキャッシュフロー計画も欠かせません。診断士として経営者にお勧めするのは、「補助金がなくても投資するか」を先に判断することです。自社の中期経営計画に照らして必要な投資であれば、補助金は意思決定を後押しする追い風になります。逆に補助金ありきで導入した設備は、稼働率が上がらず減価償却だけが残る「不良資産」になりがちです。戦略と補助金の順序を間違えないことが、長期的な経営の健全性につながります。

まとめ

ものづくり補助金 第23次は、賃上げ必須化と1人あたり判定という大きな転換点を迎えました。採択を勝ち取る鍵は、「設備投資→生産性向上→賃上げ」の一貫した経営ストーリーを数字で描くことです。締切の2026年5月8日まで残り3週間弱。計画書作成には通常2か月程度必要なため、まずは自社の課題と解決策の棚卸しから着手してください。